イストクの高い技術が生んだ新たな構造
デザイナー山田佳一朗氏の手掛けたBRANCH(ブランチ)チェアは、曲木の技を活かし、一本の無垢の脚が背やアームへと枝分かれする椅子です。
18ミリ厚の細い脚は枝分かれして座枠と三角構造を形成し、50ミリ幅の材と同等の強度を作りながらも軽さを高めています。
イストクの高い技術が生んだ新たな構造が、独特の意匠と軽さを備えた椅子を作り出しました。
BRANCH(ブランチ)チェアは、2018年の発売開始開始でしたが、実は約15年前の2003年には試作品はできていました。しかし、当時は技術的に量産することが難しく、その時点では製品化に至りませんでした。
その後、徳島で主に木製椅子を60年近く製造する椅子徳製作所はBRANCH(ブランチ)と出会い、山田佳一朗氏と共にオリジナルブランド「イストク」を立ち上げたました。
ドイツから最新の曲木設備を導入し、曲木を用いた他の製品を開発しながら研究を続け、5年をかけて「分岐曲木」の確立に至った。 2017年の発表時には曲げやすいブナ材での製品化だったが、試行錯誤の末、ウォールナットやホワイトアッシュでも製品化。見本市IFFT(インテリア ライフスタイル リビング)」で発表時の反響が大きく、椅子徳製作所の技術力を広め、木工技術の新たな可能性を関係者に感じさせる機会となりました。
[DESIGNER]
山田 佳一朗
Kaichiro Yamada
1997年武蔵野美術大学を卒業後、同研究室助手を経て2004年よりKAICHIDESIGNを主宰。考える人、作る人、伝える人、使う人と共に考え、関わる人が生き活きと生活できるよう活動している。主な活動にKOTORI(アッシュコンセプト)や酒器だるま(セラミック・ジャパン)、クモノス(かみの工作所)等のプロダクトデザイン、角館伝四郎やSAYOのブランディング、EDITORYのインテリアデザイン等。グッドデザイン賞、red dot design award等受賞。
A Dream Come True(ミラノ、2007)、現代のプロダクトデザイン(東京国立近代美術館、2013)等出展多数。
[BRAND]
イストク
isutoku
1960年の創業以来、徳島で半世紀に渡り、特注家具を作り続けて来た椅子徳製作所。そこで培われた技術が上質なデザインと出会い、生まれたブランドがイストクです。 総勢20名の職人が椅子やテーブなどの脚ものからソファ等の張りもの、キャビネット等の箱ものまでを作る。5軸のNCルータを駆使した精度の高い木工技術、熟練の張り加工から塗装まで、一貫した木製家具の生産体制を整えています。