宮崎椅子製作所のモノづくりの根幹「技術」と「デザイン」~The Technique~

宮崎椅子製作所の家具づくりについてより詳しく知りたい時に必ず欠かせないのが、その技術です。

「椅子の成る木」という言葉をコンセプトにしているのは、椅子という成果を実らせる一本の木であることをめざすという理由からです。

その他には真似のできない椅子作りをするためにはどのような技術があるのかをご説明します。

宮崎椅子製作所 5つの宣言 (職人の理念)

一脚一脚を丁寧に作り上げる。「デザイン」と「技術」をひとつに繋ぐ。樹種と張り地のバリエーションを豊富に取り揃え、一人ひとりの要望にきめ細かく対応。

実際に使っていただく人の声に耳を傾けながら、 日本でつくる意味と価値がある椅子づくりというのを目指すための大事な要素を掲げています。

1、 デザイン
デザイナーとのワークショップ方式での開発を中心に、良質なオリジナルデザインを探求します。
明快なコンセプト、スタンダードなデザイン、愛着を持って付き合える木の椅子。人と空間との親和性を大切にデザインします。

2 製作・技術
手仕事と機械加工の良いところを一体にして、オリジナルの工場技術を高めています。精度の高い加工、丁寧な仕事、厳しい品質チェック。手間ひまを惜しまず、コストにも配慮。今はまだできないことに、積極的に挑みます。

3 素材
十分に自然乾燥させた木材を、最後に人工乾燥機にかけて水分を抜きます。その後、含水率12%程度まで自然に回復させると、狂いが少ない無垢材になります。木肌を生かすために、蜜蝋ワックスまたはオイルで仕上げます。

4 修理・補修
すべての製品は国内の自社工場で生産しています。木部、張り、クッション、あらゆる修理・補修に対応します。製品を長く大切に使っていただくことがメーカーにとっての喜びです。生産休止製品の修理・補修にも応じます。

5 コスト・受注生産
生産の流れの合理化、材料ロスの最小化を図るなど、ムダを省いた小ロット多品種生産体制で、多くの樹種と張り地を選んでいただくことができます。受注生産体制により、特注・別注にも柔軟に対応可能です。

 

めざすのは、「他社には真似のできない椅子づくり」

家具デザイナーの村澤一晃氏と小泉誠氏を中心に、Inoda+Svejeほかデザイナーとのワークショップ方式のデザイン開発に取り組んでいる中で、欠かせない部分が開発を実現させるために必要な技術です。宮崎椅子製作所の職人のこだわりをご紹介します。

組む技術

木造建築でも活用されている「木を組む」技術は、日本の木のデザインを支える重要な要素です。小さな木の建築ともいえる椅子づくりにも、この伝統と技術が受け継がれ、単純ながらも優れたデザインを生み出す背景となっています。シンプルなものほど、高度な技術が要求されます。

組み立て式

椅子は、いくつかの部品で構成されています。それを組み上げずに、使い手が組み立てることで完成させるノックダウン方式の椅子は、通常なら見えないところが見えたり、触られたり、精度が要求されたりします。造形だけでなく構造や製造方法を一から見直す挑戦でもありましたが宮崎椅子はそれを実現しました。

貼る技術

木部を布や革で覆うことで、椅子のデザインに新しい可能性が生まれます。それは、単に木部を隠すことではなく、木と張り地の接点をぎりぎりまで調整しながら、木という素材を活かす技術なのです。伝統的でありながら、常に革新が求められる新しい取り組みです。

色んな木を組み合わせる

宮崎椅子製作所が使う木材は、天然の無垢材です。一つとして同じものがない個性的な色や木目があり、それが椅子に一期一会の表情を与えます。この素晴らしい資源を大切に使いたい。色の調整や選別はひかえめにして、素材をできるだけそのまま活かした製品開発を心がけています。

削る技術

木を削ると、内部に潜む豊かな木目と色が現れます。真っ直ぐに切るだけでは得られない表情。そして、独特な曲線を持ったフォルムが形づくられます。強度とのバランスをはかりながら限界まで削ぎ落とすことで、彫刻的な美しさと手触りの良さを持った椅子が生まれます。

つなぐ技術

木材を立体的な造形としての椅子にするためには、 木を繋いでいく必要があります。暮らしの道具として必要十分な強度を兼ね備え、構造として安心感があり、それが装飾的にも活かされるアイデアを探り出す。新しい技法を丁寧に考えながら、椅子づくりに活用しています。

いぐさ

日本では古来、座具であった「畳」。畳おもてに使われている「いぐさ」という素材は、肌に優しく心地良い感触をもった天然素材です。この優れた日本の素材を椅子の張り地として見直したいという思いから実現しました。体に直にふれる椅子だから、五感で感じる製品づくりに取り組んでいます。

つぐ技術

木を接ぐことは、木材を無駄なく利用することでもあり、椅子の構造的な成り立ちを決定づける大切な技術です。接いだ箇所は弱くなりますが、弱さを補うのが接ぎ方のノウハウと精緻な加工技術です。見えない部分に隠されてしまう「接ぎ」は、 椅子のもう一つの顔でもあるのです。

かるさ

多くの木は水に浮く軽い素材です。この軽さを活かして、手に持ったときに「えっ」と驚くような製品もつくってみたい。木は、軽くても粘りのある強さをそなえた素材です。パーツの細さと薄さを追求しながら、十分な強度と快適な座り心地がえられる椅子にも挑戦しています。

あいぞめ

布や革の張り地は、椅子の個性を決定づける大きな要素です。宮崎椅子製作所は地元徳島の伝統的な藍染め技術を革の染色に使い、独特な色合いをもつ製品づくりに挑戦しました。小さなことでも、徳島生まれを大切にする気持ちを持って、地域に根づいたものづくりを行なっています。

まげる技術

真っ直ぐの木を蒸して曲げる。「曲げ木」は、古くからの技法でありながら、いまも新しいデザインを生み出す背骨の役割を果たします。木材本来の性質を活かしつつ、切り出すだけでは実現しない豊かな表情を生み出す技術は、身体に添ったカーブと独特の個性を椅子に与えます。

日本の木を見直す

日本には、他の国に無い固有の木があります。昔から現在にいたるまで、多くの建築や室内装飾に活用されている日本の木を見直し、積極的に使っていきたい。椅子の構造体としてはやわらかいために使いづらかった針葉樹も、技術的な工夫をほどこして製品化を続けています。

仕上げの技術

椅子づくりの最後の細かな仕上げは、機械加工ではできない、まさに「手の感覚」だけが頼りとなる工程です。木は同じ形でも、性格は微妙に違います。その違いを手で読み取りながら一脚一脚 を手間ひま掛けて仕上げるためは、熟練した職人の技があってはじめて可能となります。

 

 あの椅子この椅子、デザインの裏には繊細な技術が潜んでいます。

こんな椅子をつくってみたい。その思いが伝わるように、宮崎椅子製作所ならではの椅子を追求するために、デザインと技術を一体にしたものづくりを追求します。

試作と試行錯誤から見いだした宮崎椅子製作所ならではの技術をご紹介します。

 

 

 

まとめ

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

良い家具のデザインの裏には繊細な技術が潜んでおり、その椅子を仕上げるためには相当な量の努力があるということ。また、あくなき探究心がまさに「他社には真似のできない椅子づくり」を作り上げているのではないでしょうか。

当店では宮崎椅子製作所の家具も販売しております。よろしければ見て行ってくださいませ。

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