広松木工の木について
広松木工の家具はどのような素材で作られているのか?
広松木工の作られている木材は天然木をメインとしており、デザインによって天然木と別の素材(コットン、リネン、漆喰、リノリウム、アルミ、鉄など)を用いて家具製作を行っています。
天然木は、メープル・オーク・チェリー・ウォールナット・パドゥーク・ウェンジ・チーク・パイン・ヒノキを、家具のコンセプトや目的に応じて使い分けています。
また、ソファやチェアカバーなどの生地は、広松木工の味を追求するためオリジナルで開発を行っており、厚手の帆布や肌当たりの優しい上質なリネンなどを、
独特の味と風合いが特徴の生地に仕上げています。
樹種について
メープル/ MAPLE
分類 | カエデ科/落葉広葉樹 散孔材 |
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産地 | カナダ・北米東部 |
淡い赤褐色で絹糸状の光沢があり、時に鳥眼杢※1やシュガーマーク※2が現れます。
重硬で加工はやや難しいが、衝撃にも強く、割れにくいため、ボーリングのレーンやピンの素材としてよく知られています。
カナダの国旗にデザインやメープルシロップとしても馴染み深い木です。
経年変化としては、使い込むほどに黄色みが増していく変化が見られます。
※1:小鳥の目のような小さな円形の斑点。
※2:樹液の糖分が節状や点状に現れたもので、メープル材特有。木目とは関係なく現れます。
オーク/ OAK
分類 | ブナ科コナラ属/落葉広葉樹 |
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産地 | 北米大陸一帯 |
辺材は白色ないし淡褐色で幅は狭く、心材は淡褐色ないし濃褐色。
強くて耐久性に富んでいるので、ウィスキー樽用としても有名です。
真っすぐに伸びた木目が美しく、虎斑※1が現れることや節が入ることも特徴です。
経年変化としては、使い込むほどに深みのある色合いに変化し、濃くなっていきます。
※1:幹が土壌中のミネラル分を吸収した際にできる、スジ状の杢目。主にオーク材に見られる斑紋。虎の毛のように見えることから虎斑と呼ぶ。
ウォールナット/ WALNUT
分類 | クルミ科/落葉広葉樹 |
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産地 | 北米東南部 |
辺材は乳白色から灰紫色、心材は紫色を帯びた薄褐色から濃褐色。
不規則な濃淡の縞や縮み杢※1・入皮※2などが現れ、節や白太※3が入ることが特徴です。
世界三大銘木として数えられ、材質としては重硬で衝撃に強く加工はしやすい。
特に表面の仕上りは美しい。
家具以外には、楽器や銃床用材としても賞用されている。
落ち着いた色合いと重厚感のある木目が特徴で、独特の風合いとあたたかみを持っています。
使い込むほどに、橙色みが増し、優しい印象になっていきます。
※1:木目が波状に縮んだ模様。
※2:成長の過程で傷を受け、その部分の細胞活動が止まり、樹皮が巻込むように成長して節状や色変わりが起こったもの。
※3:同一材の中で、色の濃淡が現れること。天然木ならではの自然のコントラストです。
チェリー/ CHERRY
分類 | バラ科サクラ属/広葉樹 散孔材 |
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産地 | 北米東北部・中部大西洋沿岸 |
淡い赤褐色~濃い赤褐色。
木肌のきめ細かさと暖かい肌触り、なんといってもその美しい色合いが魅力です。
磨けば磨くほど艶が増し、美しい光沢が出てきます。
材面に黒い斑点や節状の模様(ガムポケット※1)や白太※2が現れるのが特徴的です。
時間の経過ともに飴色に変色し、価値が増していきます。
※1:樹液が溜まり濃色に変化したもの。樹脂痕とも呼ばれます。
※2:同一材の中で、色の濃淡が現れること。天然木ならではの自然のコントラストです。
ウェンジ/ WENGE
分類 | マメ科/広葉樹 |
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産地 | ザイール・カメルーン・ガボン・コンゴ |
心材は黒紫褐色で淡色の細かい縞がさざ波のように入り、独特の美しさがあります。
辺材部分は白色。通直な木目を持ち肌目がやや粗いのが特徴です。
装飾的な価値が高く、材質としては重硬で強度が高いため加工が難しいですが、仕上がりは極めて美しいです。
チーク/ TEAK
分類 | クマツヅラ科/落葉広葉樹 |
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産地 | ミャンマー |
辺材は黄白色、心材は金褐色で、光沢と匂気を持つ。材面にロウ状の感触があります。
重硬で独特の油分を持つため加工が難しいですが、耐久・耐水性、抗菌、防虫性に優れており、世界の最高級材のひとつです。
現在は自然保護のため伐採禁止になっている所が多く、輸入が大変厳しいのが現状です。
古くから高級材として、高級列車として知られるオリエント急行や20世紀を代表する豪華客船クイーンエリザベス2号の内装、タイタニック 号の甲板などに用いられました。
現在でも、ヨットやクルーザーの高級内装材に使われています。
使い込むほどに、色合いの深みが増していきます。また、木目の色の濃い部分は薄くなり、薄い部分は濃くなっていくので、優しい印象になります。
パドゥーク/ PADOUK
分類 | マメ科/広葉樹 環孔性散孔材 |
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産地 | ナイジェリア・カメルーン・ザイール |
材は染めたように鮮やかな橙赤色で、時間の経過ともに赤紫色を帯び濃色に変化します。
やや重硬だが加工はしやすく、磨くと光沢が出て、仕上がりも美しい。
見慣れない木材と思われますが、木琴やギターなどの楽器で用いられることが多いです。
同属の樹種に、東南アジア産のカリンがありますが、パドゥークほど赤味が強くありません。
アルダー/ ALDER
分類 | カバノキ科/広葉樹 |
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産地 | 米国西海岸 |
木肌がとても美しい材料で、淡い紅褐色。
伐採時はほとんど白色ですが、空気に触れるとじきに淡紅褐色や淡黄褐色に変わります。
板目の濃い部分はチェリー材にも似ていますが、チェリー材のような経年変化による濃色への変化は見られません。
広葉樹の中では比較的柔らかい材のため、肌触りも柔らかく温かみのあるとても優しい感じが特徴です。
パイン/ PINE
分類 | マツ科/針葉樹 |
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産地 | カナダ ブリティッシュコロンビア州・カリフォルニア州 太平洋沿岸ロッキー山脈 |
黄白色~淡黄褐色の材面は、辺材・心材の色の差が少ない。
板目面を見ると、はっきりとしたディンプルグレイン※1があることや、節が多いことが特徴。
一般的にはやや軽軟で加工性は良いが、反面衝撃には弱い。
経年変化としては、飴色への変化がみられる。
※1:小さい笑くぼのような模様。
仕上げについて
オイル仕上げについて
広松木工では、無垢材の木の質感や特徴を生かした商品づくりを心がけており、多くの商品がこの自然オイル仕上げ(オイルフィニッシュ)を採用しております。
オイルフィニッシュの良さは何と言っても「肌ざわり」です。
無垢材ならではのしっとりとした質感を楽しんでいただけ、さらに奥深い重厚感や木目の美しさを最大限に引出してくれます。
その反面、傷やしみはできやすい仕上げですが、日々のご使用でできる傷やしみは家族に愛されている証です。
定期的にメンテナンスしていただきながら、傷やしみなどあまり気にせずに気軽にご使用ください。
※天然木のため木目、色味など一つひとつ異なります。色味を合わせるために、一部木材に合わせた着色オイルを使用しております。
ソープ仕上げについて
ソープ仕上げ(ソープフィニッシュ)は、木材の保護塗料として石鹸水を用いております。
無垢材がもつ木本来の質感を損なわず、仕上がりも濡れ色にならないため、白木の風合いを引き出せます。
傷やしみはできやすい仕上げではありますが、定期的にメンテナンスしていただきながら、傷やしみなどあまり気にせず経年変化をお楽しみいただけたらと思います。
ラッカー塗装について
ラッカー塗装は、木の表面に基材のラッカーを吹きつけて膜で覆う塗装方法です。
塗膜が薄く滑らかで「自然な木の質感や風合い」を生かした仕上りとなり、多少の汚れもつきにくくなります。
その反面、塗膜が薄いことで熱や水分には弱く、輪染みができやすくなっております。
ランチョンマットやコースター、ポットマットなどをお使い下さい。
また耐用年数は約5年~7年程※1と言われ、それを過ぎると劣化による塗膜の剥げなどがみられる場合がございます。
その際は再塗装の修理が必要となり、工場でのメンテンナスとなります。
※1:あくまでも一般的な目安となります。ご使用方法や環境によっても異なります。
ウレタン塗装について
ウレタン塗装は、木の表面にウレタン樹脂を吹きつけて膜で覆う塗装方法です。
表面を硬い膜で覆うことで、汚れやしみが付着しにくくなり、定期的なメンテナンスは不要です。
さらには木の動きを抑制し、割れや反りが発生しにくくなります。
その反面、木の質感や素材感は感じにくくなり、ご使用年数を増すごとにツヤツヤした光沢感がみられます。
また耐用年数は約6年~8年程※2と言われ、それを過ぎると劣化による塗膜の剥げなどがみられる場合がございます。
その際は再塗装の修理が必要となり、工場でのメンテンナスとなります。
※2:あくまでも一般的な目安となります。ご使用方法や環境によっても異なります。
「うづくり」について
うづくり加工とは、木の表面を擦り天然木の表面に凹凸を付け木目を掘り起こす工法です。
木の表面を擦るように磨くと年輪の柔らかい部分(春目や夏目※3) が削れ、木目が美しく際立ち、経年変化にて自然と木がやせていく様を表現しています。
木の風合いを目と肌で楽しめることも、うづくり加工の魅力となります。
主に、ガラ・サンタフェ・WFシリーズで用いられている工法です。
※3:木の年輪(成長輪)には、成長巾が小さく細胞密度が高く硬い部分と、成長巾が大きく細胞密度が低く柔らかい部分があります。この柔らかい部分を春目・夏目といいます。
「ディストレッシング」について
ディストレッシング加工とは、あえて”なぐり※4・キズ・虫食いの穴”などをつけることで、アンティークな風合いに仕上げる工法です。
長年使い込だような傷を職人が一つひとつ手作業で施しており、同じ表情の仕上がりは二つとありません。
また、実際にお客様が長年使い込むことで、ご家庭それぞれの「味わい」が重ねられオンリーワンの家具として家族の風景になることを願っております。
主に、ガラ・サンタフェ・シェーカーシリーズで用いられている工法です。
※4:板の表面に道具の痕跡を残し、それを味わいとしてみなす技法です。